大企業であろうと中小企業であろうと、企業は、顧客に対して商品やサービス(役務)を売っているのであり、その商品やサービスにはすべて名前(=商標)があるはずです。
商標法は、その商品名やサービス名を保護することによって、他社または競合品との「識別化」「差別化」を図り、もって企業や産業の発展に寄与することを目的としています。
特に、昨今、ビジネスコンサルタントの間で「ブランド戦略」なるものが盛んに喧伝されていますが、商標の権利取得や権利行使は、そのブランド戦略の中核とも言われています。商標の権利取得や権利行使の方法について、解説します。
商標とは,自己の商品又は役務(サービス)と他人の商品又は役務とを識別する標識であり,商品又は役務の出所を示す標章である。
そのマークは,文字,図形,記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合であって,業として使用するものをいいます(商標法2条1項)。
すなわち,商標とは,簡単に言うと,事業者が自社の取り扱う商品や役務(サービス)を他社の商品や役務と区別するために使用するマークのことをいいます。
従前、我が国の商標法では、上記のとおり、文字、図形、立体的形状などの視覚によって認識することができ、静的な商標に限定されていましたが、平成26年の改正により、他国では既に広く保護対象となっていた「色彩」や「音」、「動き」「ホログラム」「位置」などの新しいタイプの商標が導入されることになりました。
2.音の商標:音からなる商標であり、聴覚によって認識されるもの。 例、久光製薬株式会社(欧州登録2529618)
3.動きの商標:図形等が時間によって変化して見える商標 例、マイクロソフトの4色旗の周りの色が変化するもの(欧州登録005910831)
4.ホログラムの商標:ホログラムに映し出される図形等が見える角度によって変化する商標 例、American Express社(米国登録3045251)
5. 位置の商標:図形等の標章と、その付される位置によって構成される商標 例、久光製薬株式会社(米国登録3776468)
① 出所表示機能: 標章をある商品又は役務に付すことにより,その商品又は役務の出所を表示する機能をいいます。商標の最も基本的な機能である識別機能に由来しています。
② 品質保証機能: 同一の商標が付された商品・役務には,いつも一定の品質を備えているという信頼を保証する機能をいいます。次に述べる商標の広告機能の元になるものであり,顧客を吸引する原動力となるものであるといえます。
③ 広告機能: 商標は,商品・役務を広告宣伝する作用や機能を有しています。すなわち,需要者は商標を記憶し,商標自体に一定のイメージを抱き,購買や利用することを喚起させる機能を有しています。
これらの3つの機能は、商標権侵害の有無、商標の類否判断にも影響を及ぼすのであり、商標法の理解には不可欠の概念と言えます。
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